忙しい人のための「iPhoneの本質 Androidの真価」

IPHONEの本質 ANDROIDの真価

IPHONEの本質 ANDROIDの真価


今、何か新しいテクノロジーを使って人々のライフスタイルを変えるようなことをしたいと思ったときに、Argumented RealityとかInternet of Thingsっていうキーワードに辿り着く。で、それらを乗せるプラットフォームとしてiPhoneAndroidが存在するんだよなー。ここらへんのテクノロジーを発端にして、去年ぐらいから何かものすごい新しいことが始まろうとしている予感がするのです。



クラウドとして提供されるWebアプリケーションと、アクセス端末としてのモバイルを効果的に組み合わせたアーキテクチャみたいなことを今、世界中で考えてるわけで、ちょっと調べると面白いネタがガンガンひっかかる。今年は仕事でこういったテクノロジーに関われるチャンスがありそうなのでしれないので、常に情報に敏感になっておきたい。

P22
これまでお話したライフスタイルとテクノロジのギャップが生じたときに何かを起こして、テクノロジやインフラの恩恵をユーザーが受けられるようにする。これがベンチャー企業の役割だと思っているんですよ。
(中略)
テクノロジとかインフラをうまくまとめてあげて、スイッチング・コストをぐっと下げて、人々のライフスタイルを変えることこそが、僕のようなエンジニアやベンチャー企業ができることです。

P87
私は、今後Webアプリケーションが主流になると思います。ユーザーを囲い込んだ者勝ちになると、iPhoneユーザーだけでは足りない。パソコンでもiPhoneでもAndroidでも、誰でも見られるようなサービスによって会員を集めたところが勝つと思います。その意味でWebがいい。

P125
これを見ると、「Apps without borders」というキーワードは、グーグルとしてはリアルとバーチャルの融合という思想ではないかと思います。目の前に広がるリアル空間と、Web上にあるバーチャル空間との境界線をいかに取り払うかという思想です。

P207
つまりプラットフォーム競争は、一つひとつのデバイスごとではなく、いかに多くの製品群に対して共通のプラットフォームを取れるかが鍵になってきます。より広くプラットフォームを取った方が、主力になっていくと思います。

最近、紙っぽい素材でできたスクリーン見たことあるけどすごいよ。個人的には薄いシート状のスクリーンで必要に応じて広げて使うみたいな感じのが普及すんじゃないかと思ってる。手帳型って開いてるページの画面しか見えないじゃん。まあ、デュアルディスプレイ何がいいのか分からんので、今度あまってるモニター使って試してみるか。

P51
手帳型iPhoneは、まず画面が狭いという問題を解決するためには画面を広くしなければいけないというところから発想しました。携帯電話の画面はこれ以上広げられない。それなら数を増やせばよい、という結論に達しました。画面が動機しているので一枚のように扱えます。実際に手帳のような形状なので違和感はないでしょう。
僕はこれが未来のパソコンの形、もしくは未来の携帯電話の形になると思っています。最終的には十六ページぐらいの手帳型コンピュータが登場するのではないでしょうか。つまり十六枚のディスプレイがあるのと同じです。

こういうデジタルコンテンツの流通基盤は、キャリアの公式サイトだったりAppStore、Android Marketなんかだけでは全然需要を満たせないわけで、色んな事業者が参入してきて乱立状態になるのが目に見えてる。ユーザを集められて、コンテンツプロバイダの要望にはまるインフラを組み上げられれば純正のマーケットに対抗できるようなものが作れると思う。多分今年中には検索機能とかコミュニティ機能が充実してきて、SNSと境界線が曖昧になるんだろうな。

P62
App Storeのアプリはデベロッパがある程度自由に値付けして、その売り上げの三十%をアップルが徴収します。つまり、七十%がデベロッパに入る仕組みです。最初の一ヶ月の六〇〇〇万本分の売り上げは三〇〇〇万ドルですから、デベロッパに二一〇〇万ドル、アップルに九〇〇万ドルが入ったことになります。アナリストの中には、App Storeは年間約三億六〇〇〇万ドル規模の市場になると言う方もいます。

P64
ただ、サミーネットワークスという公式CP(コンテンツ・プロバイダ)からすると、これまでの携帯コンテンツのような月額固定課金が魅力的です。月額固定課金の場合は、アクティブに使うわけではないが、まだやめるほどではないという方がCPの利益率を押し上げています。ですから、App Storeの都度課金モデルには入りづらい面が若干あります。

キャリアが意外とこれまで自分達で積み上げてきたものを信頼してないこと、海外からの現時点での機能の充実度も実績もはるかに劣るプラットフォームにどうやら負けると思っていることがひしひしと感じられて、何だかなーと思う。

P112
日本の携帯電話は、いずれ滅びるように思います。モバイルの世界が過去と同じ歴史を繰り返しているように見えるからです。
(中略)
日本の携帯電話も、ワープロ専用機と同じではないでしょうか。非常に多くの機能を持ち、特に日本に適した機能が豊富ですが、非常に極端な特殊性を持っている。生物としての強度みたいなものに少し疑問を持たざるを得ません。

P174
もう一つの方向性が、家電的な進化です。必ずしも通信を使わない機能に特化するといった方向です。私どもの例でいうと、カメラケータイの「EXILIM」、ウォークマンケータイ、スポーツケータイというように、機能を間引いていくようなアプローチを進めています。カメラに近づけたり、ワンセグ端末に近づけたり、あるいはウォークマンに近づけたりということです。
(中略)
むしろ、シンプルな環境、オープンな環境の方がよいかもしれないという点も、オープン・プラットフォーム活用の適用範囲であろうと期待しています。

P174
期待としては、Webアプリケーションとの親和性に尽きます。多重に積み重なってきたモバイル・インターネットとは一線を画した、別領域の全く新しいプラットフォームが必要になります。Webアプリケーションに最適な環境を考えると、これまで作り上げてきたEZWebの世界と決別をしなくてはいけません。逆に言うと、オープン・プラットフォームが最適なので、Androidをはじめとしたオープン・プラットフォームのモデルに積極的に取り組んでいるというのが今のスタンスです。

P189
今回は非連続なものにしたいと思っています。モバイル・インターネットとPCインターネットの共存は考えていないので、EZwebとは全く切り離したいと思っています。ただし、音楽機能やテレビ機能などは共存する可能性が十分あると思っています。日本的でよいものは取り入れつつ、ネット的でオープンな環境は解き放っていきたいと思っているので、何らかのカスタマイズはあってよいと思っています。

P201
同じことは、私が以前いたパソコン業界でも起こりました。NECのPC-9800というプラットフォームがあり、日本ではPC-9800が圧倒的なアーキテクチャのシェアを持っていました。ところが海外ではIBM PC互換機が標準になり、PC互換機がDOS/Vという形で日本に入ってきました。その後、あっという間に日本でもPC互換機が標準的になりました。同じ動きが形態電話でも起こるだろうと思います。

これものすごい驚いた。Apple IDがあればどこでも買い物できますみたいな決済サービスを展開できそうだ。そのうちクレジットカード会社と同列みたいな感じになるのかもね。

P207
二〇〇八年九月上旬ぐらいだと思いますが、アップルのApple IDのアカウント数が六五〇〇万を超えました。Apple IDとは、アップルが発行するIDです。そのIDはクレジットカード番号をひも付けられています。iPhoneでアプリケーションや音楽を買うとき、オンライン・ショッピングの「Amazon.com」のワンクリックを使えば、パスワードを入れるだけで個人を認証して購入できます。
アップルがIDとして六五〇〇万人の決済機能を持っているというのは、驚異的なことです。この流れは、コンピュータ業界と通信業界とのいろいろな意味での融合だと思います。