エンタープライズとしてのユーザビリティ


Webメールが、Webの上で動くものなんだよ、と改めて教えてあげたい。
http://blogs.itmedia.co.jp/speedfeed/2008/02/webweb-252b.html

クライアントソフトのインターフェイスを忠実に置き換えたようなWebアプリは、Webブラウザ上で動くアプリケーションとしての、本質的なところをはき違えているからだ。

同じインターフェイスを模してしまえば、クライアントソフトに比べて見劣りするのは当たり前だ。それを我慢して使え、というのは筋違いである。


クラサバのいわゆるファットクライアントからWebブラウザへとクライアント技術が変化したことによって画面設計のルールがひっくり返った。
それに気づかなかった人たちが縦スクロール何画面分かのスペースにぎっしり詰まったフィールドに30分かけて入力しなきゃならないようなマヌケな画面をデザインし続けた。
複雑な相関チェックを含めて数百あるバリデートパターンをJavaScriptで完全に実装したのはいいがボタンを押すとブラウザが固まってしまうWebアプリがいたるところで生まれ続けた。


そんな10年前の笑い話が笑い話でなくなるような話。Webサービスの代表的な企業ですらこんな感じなのか。


RIAってのは、クライアントソフトのユーザビリティWebブラウザ上で再現するためのものではないんだよな。


そもそもUI設計ってそんな単純なものじゃなくて、WebをプラットフォームとするならWebとしてのユーザビリティが存在するわけだし、モバイルならばモバイルとしてのユーザビリティが存在する。AIRなどのローカルアプリもまた然り。*1


エンタープライズなんだからユーザインターフェイスにこだわるのは時間の無駄だなんていうのは戯言だ。エンタープライズをやるんならエンタープライズとしてのユーザビリティを追求する必要がある。だいたいユーザの要望の9割はUIに対する不満じゃないか。

*1:なにかニッチな分野のユーザビリティスペシャリストになると食い扶持稼げるかもね。