SIerにとって新技術の採用は本当にリスクか?


ここしばらく提案支援として入っていた案件が高リスクという社内判断で中止になりそう。ダウナーな雰囲気でGW突入。


社内にも社外にもある程度の規模の事例がほとんど存在しないような新製品を使っているってことがあって、ずっと手探りの状態で作業しているわけで実際やばいのは分かる。このまま続けていくと半年後には祭りになっている可能性がかなり高いと思う。それでも中で作業している人間が何を考えて作業しているかどんなに汗をかいて作業しているか分かっているとは思えない社内のお偉いさんの判断には腹が立つ。


セオリーでは、新技術の採用はそれ自体がリスクなので、小規模案件や社内案件など多少の失敗が許される案件でのみおこなうべきで、十分に枯らしたあとに大規模案件やクリティカルな案件に適用するものである。


でも、ほんとに新技術の採用ってリスクなんだろうか?たしかに枯れた技術を採用するのに比べてトラブル発生の確率が格段に上がるのは分かる。でもそんなの大したリスクじゃないだろう。真のリスクっていうのは困難を避けてやり過ごすことが習慣化し、そのような選択が正しいことであると認識され、社内全体が臆病になっていることに気付かなくなってしまうことだと思う。


うちの会社は事業部制なので、部署によって社風がかなり違う。極力ローリターンであるかわりにリスクの低い安全な案件を選ぶ部署もあれば、製品選定フェーズでまだベータ版で正式リリースが未定になっているような製品をガツガツ採用しIT系メディアに取材されることを最終目標にしている案件の並ぶ部署もある。両者を比較すると業績はたぶん前者の方が多少良いと思う。でも所属している社員を見ると後者の方が圧倒的に強い。本当に同じ採用基準で入ってきているのかと思うくらい差がある。


前者は多少骨のある社員はどんどん異動したり辞めていき、部署の性格どおりの言われたことを言われたとおりしかやらない社員ばかりになる。後者は類は類を呼ぶのか朱に交われば赤くなるなのかは分からないがモチベーションの高い技術マニアばかり集まり、組織的に真夜中まで残業しまくる。「あそこの部署はベンチャーだから」みたいに周囲からは言われている。で、たまに部署をまたがるようなプロジェクトが始まると本当に輸入種による在来種の駆逐のような状態になる。完全に後者の部署が主導権を握ってしまう。


こういうところを見ていると新技術の採用は決してリスクなんかじゃない。もっと社内全体がリスクをとってチャレンジするようになってほしいと切に願う。


ちなみに自分の部署は、微妙に開発部門ではないんだけど、開発部門内で一緒に仕事したい人の8〜9割は上記のベンチャー部にいる。ま、プライド高い奴多いんで一緒に作業するとしてうまくいくかどうかはかなり怪しいけど。。。



関連して、少し古い書籍の紹介。

JavaからRubyへ ―マネージャのための実践移行ガイド

JavaからRubyへ ―マネージャのための実践移行ガイド


Java vs Rubyがどうのこうのってとこには触れないことにするとして、社内に新技術を導入するための戦術が事細かに書かれており、自社に新技術を導入したい人はとりあえず読んどくべき。